●第5章 ルッキング・フォー・ザ・ボトル

オリジナル・フレグランスはついに完成した。
次はこれを入れるための瓶を探さねばならない。

しかしここで新たな問題に直面してしまう。
“香水瓶=フレグランス・ボトル”というのは意外にも殆ど売っていないのだ。 “醤油注し”ならあんなにたくさん売ってるのに・・・。

考えて見れば、香水は、香りとそれに合うイメージのボトルを組み合わせて 販売されていることがほとんど。あえて自分好みの瓶に詰め替えて使う人などいないのか?
銀座や新宿、渋谷をさんざん探し回ったものの、 ようやく見つけても一つ数万円もするようなガラスのボトルや陶磁器のボトルなど、 はっきり言ってそれだけで予算をかるくオーバーするものばかり。
いくら探してもイメージに近く、手ごろな価格のボトルは売ってない。
終いには東急ハンズの実験器具コーナーで 「この際、試験管でっていうのはどう?」などという、 普通に考えればありえない意見まで飛び出す始末。
ネットで探して、イメージの近いものをピックアップするも 「これ!」と思うものはアンティークの一点モノだったりして やはりどれも値段が高いのだ。

うーん・・・困った。

そんなときに4号から、 「以前撮影で使ったボトルが洒落ていて“らしい”感じやったで〜」との連絡を受け ハィそれまってました!!とばかりに銀座へ急行。

だが時すでに遅し。該当商品は生産中止になっていた!
「もしかしたら系列店舗に残っているかもしれないのでお調べします。」
という店員の言葉に一縷の望みを託すも、 在庫がないものが、そんな簡単に転がっているワケがないじゃん。
これで試験管決定か?…だれしもが最悪の事態を想定しかけたその時、電話は鳴った!
「九州に2つだけございました。いかがいたしましょう?」
「そそそそそそ、それをぉぉぉぉぉ・・・!」」


奇跡は起きた!

前回といい、今回といい、なんだかぎりぎりのところでうまくいくなぁ……。
ま、兎にも角にも、これでパッケージ製作にはいることができる!
万歳〜(^▽^)/

なーんて悠長なこと言ってる場合じゃないぞ!とそとそ隊!
この後、まさかあんな緊急事態に陥ろうとは、だれが予想できたであろうか!