●第9章 式当日。太陽の昇らない日はない。

披露宴は続いている。
ハーレークラブレディースからの歌の贈り物「お嫁サンバ」が終わり、司会が おもむろに我々を紹介した。


司会: 


さらなる奇妙な世界へ皆さんをお誘いしましょう。
新郎の友人、とそとそ隊?からのすばらしいプレゼントです。
それではお願いいたします。 とそとそ1号、2号、3号、5号!


各自持ち場に移動
1号3号はマイク前に。5号はバイク置き場に、2号は音響装置前に。
暗転、マイク前にピンスポット〜


1号:


本日はワタクシ共の新作の発表会に多数お集まりいただき、誠にありがとうございます。まずこの場を快く提供していただいた、新郎新婦のお二人に感謝いたします。
映像をごらんいただく前に代表であります私1号から簡単に自己紹介をさせていただきます。
我がとそとそ隊の発足は、はるか1922年にさかのぼります。生まれたときからメンバーになることを 運命づけられていたといっても過言ではありません。そして、発足当時よりクリエィティブな方面から隠密に地球を防衛するといった重要な役割をこれまで担ってきたわけでございます。あ、もちろんこれからも、ですが。
本日そちらの新郎席に座っているヤマノ君も、実は我々の重要な仲間「とそとそ4号」と、そぅ呼ばれております。いままで新婦のノゾミ様、本日式にご参加の皆様共々ご存知なかったでしょうから、さぞかしビックリされたことと思いますが、これからはご主人がだまって家を空けたときには「あぁ、地球を守っている重要な任務についているのだなぁ」と温かい目で見守っていただきたく、そして今後は夫婦協力して地球の防衛に努めていただければと存じます。
さて、本日皆様にこれから発表いたします作品は、新郎新婦のお二人も乗っているバイクのメーカーである、アメリカ=ハーレー社と、我がとそとそ隊技術開発部とでもちろん極秘裏に、そして共同で、その開発に3年も費やした自信作でございます。それでは、ごらんくださいませっ!


映像スタート〜
 ⇒映像はこちらからダウンロードできます(6.3MB)


3号:


本日は当方の開発部主任、マッドサイエンティスト5号にも来ていただいております。
それでは、ご登場ください〜


5号、バイクを押して脇トビラ(左)から登場。バイクにピンスポット〜
客席からはざわめきが聞こえる。


3号:


ごらんください、流れるようなライン、とことん軽量化を施されたシンプルなボディ、地球にやさしいエコロジカルな内燃機関。そして研ぎ澄まされた美しいデザイン。
これこそがとそとそ隊が誇る極東基地多摩支部所有、新型偵察防衛連絡仕様多用途移動機器ハーレーダビッドソン・スポーツスター50“チョイ”でありますっ!


バイク、所定位置に到着。


1号:


このマシンは、決議の上、本日付で4号宅配属となりました。さ、3号、カギを贈呈してさし上げてっ。皆様、盛大な拍手を〜


新郎におおきなカギを贈呈〜


3号:


 おめでとうございますぅ〜

1号:

これにて、発表会を終了させていただきます。ながらくご静聴のほど、誠に感謝の言葉もございません。これからも4号どのには、地球のため、日本のため、自分のため、そして夫婦のためにがんばっていただきたく思っております。ありがとうございました。


一同:


おめでとうございますぅ〜

各自席へ戻る。
5号のみバイクとともに退場、会場出口へ。
所定位置にバイクを設置、パネルを並べたのち席へ。

司会:

あのバイクは本当にプレゼントだそうです。私もあんな太っ腹な友人が欲しかったと思います。