●第4章 メイキング・その1

10月末日。
1号から「近所のバイク屋でチョイノリ安売りしてるよ」との 連絡を受け、みんなで見にいくことに。
注意点は、貼ってあるロゴステッカーはきれいに剥がせそうなのか、 元々のオレンジを活かせるのかどうか。使えない色では困る。 これ次第でこの計画がおじゃんになる可能性もあるのだ。 とにかく慎重に行かね…
「う〜ん、なんとかなるんじゃない?」と1号。
我々にとって代表の一言はいつも絶対なのだ?? どこが確信に繋がったのかまーったく定かではないが、即決購入決定。 この適当さが泣きをみる結果につながるのだが、それはまた後ほど。

とにかく!車両本体代金、登録にかかる諸費用に、持ち込みタイヤの交換工賃まできっちり支払って、もう引き返せないところまで来てしまった。さあ、どーする?とそとそ隊!

1週間後、イメージの要であるホワイトウォールタイヤを持ち込んで取り付けてもらった後、バイク屋から作業場となる1号宅までおよそ4キロ自走してついに搬入された、オレンジ色のチョイノリSS。
いよいよ、ここから長い苦難の道のりが始まるのだ。

「みんなで集まる前にステッカーぐらい剥がしておこうよ。」
新車のチョイノリのカウル部分は、みるみるうちにバラされて行く。 どうやら、カウルの素材はABS樹脂のようだ。 1号と5号は前準備がてら、さっそく作業を始めたはよかったのだが、 ロゴステッカーはあっさり剥がれたものの、裏の取扱説明ステッカーは、 PP加工された表面のポリプロピレンフィルムだけがビローンと剥がれてしまい、 残りの紙部?(便宜上紙と言っているが恐らく材質は紙ではない)は モロモロと小さくこそげるだけでちっともきれいに剥がれない。 だが、溶剤を使ってカウルが溶けても困るし、硬いヘラみたいなものを使えば 大切なカウルに傷がついてしまう。後で塗装するならまだしも、 なんたってこのオレンジ色を素地としてこのまま使うのだ。
「根性でチマチマ丁寧にこそぎ落としていくしかない!気合ダァーー!」 ステッカー剥がしだけで既に所要時間は5時間強。この時点で、 「なんとかなるんじゃない?」そんな安易な考えは消し飛ぶことになる…。

さて、ハンドルの付け替えを行うのだが、社外品の ハンドルキットを購入すると1万7,000円。たけぇーーー。
とてもじゃないがそんなものは付けられない。我々は「貧乏!」なのだ!
そんな時、5号がよからぬアイデアを持ってくる。
「ねー、ノーマルチョイのハンドルってさ。いい感じに二股だよね? 普通プロダクト的な発想としては、同規格にして互換性があるように設計すると 思わない?てことはノーマルチョイのハンドルがSSに問題なくサクっと付くに違いないよ!」
改めて言っておくが、この発言になんの根拠も確証もない。
オィオィ、さっきのステッカー剥がしの後悔はどこへいったんだ? しかし、過ぎたことは振り返らないのがとそとそ隊のいいところ? 何の迷いもなく、ヤフオク(ヤフー・オークション)で
 ⇒http://auctions.yahoo.co.jp/
ノーマルチョイの中古ハンドルを1,000円で購入。 ついでにハーレーっぽいグリップとか極小のミラーなども用意する。 安物買いの銭失いという言葉もあるぞ。ホントにホントに大丈夫なのかぁ?