緊急事態発生!生き残れるのか3T.(第1回)


西暦2000年、10月、考古学上類を見ない世紀の発見に世界は沸いていた。 北極点より85キロ、遙か紀元前から地中深くで氷に閉ざされていた謎の遺跡が発掘されたのだ。
連合国からの依頼を受け、我々とそとそ隊も調査に同行。調査団をサポートするのが今回の任務だ。久しぶりの楽な仕事であると、メンバー誰しもが高をくくっていた。 だが、まさかあんなことになろうとは・・・。


3号



「広いんですねぇ、まだこんなところが残っていたなんて。」

4号

「そやなぁ、でも寒いわ。とっとと終わらせて帰ろ。」

2号

「せっかくなんですから!あっ、ほらあれ、石像ですよ。大きい!」


3号がカメラを向けてくれた。
暗くて解りにくいが、ドーム状になったホールの向こうに身の丈3メートルはあろうかという大きな石像が左右に2体ずつ鎮座している。
通路はまだその先があるらしく調査団の持ちこんだ機材のケーブルが地面を隠すように這い回りながら奥へと続いているのが見える。


2号



「すごい技術。完全に直角に切り取られてるぅ。」

3号

「奥は棺室らしいですよ。紀元前に造られたとは思えませんねぇ。」

4号

「1号も来たらよかったのに。もったいないで、ほんま」

3号

「そうですねぇ・・・はっ、そういえば5号は?」

4号

「あっ、あんなとこでなんかほじくってるぞ。やばいんとちゃうか?」

3号

「5号殿、まずいですよー。そういうことは調査団の・・・」

4号

「あ、なんやその箱?」

5号

「へへ。見つけてしもたぁ。普通石像は死者を守るため侵入者を睨むもんやろ?」

2号

「あ、ほんとだ。なんだか床の一点を見つめてる。確かに変ですね。」

5号

「で、その一点を掘ってみたわけ。そしたら・・・。」

4号

「それ、売ったら結構な値段になるかなぁ?」

3号

「また、そういうこと言う。1号代表、なんか言ってやってくださいよー。」

5号

「開けてみよか?」

3号

「だめだめだめだめだ・・・・・」

2号

「逃げっ 」

4号

「あ"−−−−−−−−−」


無線の音声はここまでしか聞き取れなかった。
おそらく、恐れていたな・に・かが、起こったのだ。
その直後、遺跡を中心に辺り40キロは跡形もなく吹き飛ぶことになる。生存者は不明。公式発表はなし。メンバーの消息も不明。
そしてこともあろうか、サーバ内のデータもすべて消えてしまったのだ。

私達はパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。