History(その1:納車まで)


1999.10.某日

夜中いつものディーラの前を通る。ふと覗くと見慣れない黄色い車が置いてある。あっ、新型のセリカだ。よく見ようと思い駐車場に乗り入れる。第一印象。随分個性的なデザインだわ、嫌な感じではないけれど。当時乗っていたカリーナED、年式も何も覚えていない程に思い入れの無い車だった、エアコンが壊れて半年、修理の見積もりは20万円以上、次の車検までおよそ8ヶ月。それまでには買い換えたいと思っていたところだった。


1999.10.16

ぷらりとディーラーへ。セリカがどんなものだか今日は良く見せてもらおう。先ずはカタログで検討。ははっ、安っぽいカタログだなあ。試乗車が戻ってきたところで早速乗ってみる。MT車なのに運転させてくれると言う。いそいそと自車に踵の低い靴を取りに行く。
セールストークを聞きながらセリカを走らせる。ん、クラッチが近い。するすると軽やかに転がりだす。アクセルの開度に応じてダイレクトに加速する。信号で左折。思いの外ステアリングが切れ込んでゆき、曲がり方もタイトな感じ。いいじゃない、いいじゃない、この車。軽くて機敏で。これに乗るなら、MTにしようと心に決める。
試乗が終わると、社内資料まで持ち出しての猛烈な売り込み。エンジン性能のグラフは参考になりました。本当にトルクの谷がないのね。グレードはあまり考えることなく試乗車と同じ、スーパーストラットパッケージで。ボディカラーはどれにしようかしら。白、すぐにシマウマにしてしまうから却下。シルバー、どうもピンと来ない。黒、ゴキブリって言われそう。赤、ちょっと気恥ずかしいなあ。黄色、台数出なそうだから何時何処にいたかすぐばれそう。じゃあ、決定、紺色。ドリームキャストを使って内外装の仕様をシュミレート。ふうん、今はこんなことも出来るの。
そうこうしているうちに見積書が出来上がる。あら、今じゃ見積もりもパソコンなの、前は手書だったじゃない。便利になったものねえ、保険や税金の計算まで出来るなんて。
セリカねえ、さてさて、どうしようかなあ。


1999.10.某日

試乗した感じはなかなか良かったのだけど、新型のセリカ。奇抜だと思ったデザインも1日付き合っていたら見慣れてしまったし。心は随分とセリカを購入する方に傾いている。
あれ、そういえば私、スープラに乗りたいんじゃなかったっけ?
マイナーチェンジする度にもらってきたカタログが数冊。比べつつ思う。スープラに乗るならターボでしょう、車重は増える、その分はターボでカバー。セリカはNA、車重は圧倒的に軽い。挙動もきびきびしていた。そこに1番楽しさを感じたんじゃなかったかしら。
さてさて、どうしましょ。まだ車検までに半年以上あるし、ゆっくり考えようか。


1999.11.14

家でごろごろしているところへディーラーから電話。もう営業終了だろう。呼び出されて行ってみると今日1台も売れてない、とのこと。ほほほう、最後に何とか1台売ってしまおうということですか、まあいいでしょ。
改めて見積書を作り直す。付けたいオプションと、いらない付属品。保険と税金込みで300万円に収めたい。値引きは殆ど出来ないので、端数の処理も含めて付かない下取りをEDに無理やり付けて帳尻を合わせる。出来ました、諸費用総て含めて2,940,000也。で、正式に発注。オプションの大型リヤスポイラーの生産が間に合わないらしく、納車が少し遅れるかも知れないとのこと。
ところでローンの審査は通るのかしら?


1999.12.03

ディーラーから連絡。納車準備完了、いつでも都合の良いときに入替えOKとのこと。スポイラーが、なんて言っていた割には早かった。


1999.12.14

やっと車を取りに行く。これから行くと連絡をすると、じゃあ洗っておきます、だって。
車が来たとの連絡を受けてから暫く間がたってしまったためか、舞い上がっていた気持ちも少し落ち着いているよう。ん、走行距離が10数キロ。ふうん、積載車じゃなくて自走してきたのね。シートやら何やら、内装にかかっているビニールを全て剥がしてもらい、荷物を載せかえて準備完了。
さあ、帰るじょ。
そうは言ってもやっぱり新車は嬉しいもので、そのまま師走の街を流してから家へ帰った。


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